在宅療養を行なう患者さんで、疾病・傷病のため通院が困難な場合、歯科医師があらかじめ診療の計画を立てて、定期的に患者さんの自宅に訪問して診療を行なうことです。
継続的な診療の必要のない患者さんや、通院が可能な患者さんに対して安易に行なうことはできません。

こんな場合にご相談ください

• 家で寝たきりの家族の入れ歯が合わなくなり食べにくそう
• 入院中は口腔ケアをしてもらっていたが帰ってからも定期的に診てもらいたい
• 施設に入所している方が歯の痛みを訴えている(施設によっては、担当している歯科医師がいる場合もあります)
• 介護をしているが、口臭がきつく、口腔ケアの相談をしたい

訪問診療専門器材を使用しての治療が可能です。

• 訪問にかかる時間は約20〜30分です。
• ポータブルユニット、レントゲンを用いての治療
• 口腔内の衛生状態、機能維持の改善、歯や舌のブラッシング、食べカスの除去、口内マッサージ、入れ歯の洗浄や衛生指導などを行ないます。

訪問歯科診療は、事前にお申し込みをいただき、訪問日時の調整を行ない、お約束の時刻に訪問します。
※交通事情、天候などにより多少の前後はご了承ください

保険で訪問診療を行なえるエリアは、訪問診療を行なう保険医療機関から半径16キロ以内と決められています。

口腔ケアという言葉が歯科だけでなく、看護、介護の領域で盛んに使われるようになってきました。このことは、医療や福祉の現場で口腔ケアが必要とされている証です。口腔を健全に維持する、あるいは機能の障害があるとき、それをケアすることを指します。

長期の入院患者さんや要介護者にとって口腔内のケアが疎かになれば、歯垢に加え、痰がこびりつきます。また、義歯が衛生的に管理されてなければ、細菌の温床となってしまいます。このように感染や病気の原因となる細菌を減少させることは、疾病の予防につながります。また、口腔内をきれいに清掃することで、生活の質が高まります。
在宅医療においては、セルフケアが難しいケースがほとんどです。それゆえ、歯科医師がかかわり、どのような口腔ケアが必要かプランニングすることが重要です。

疾患などの影響で口腔機能が低下している場合や、日頃、口を使わないことによる廃用性変化起こっていることがあります。このような場合、口唇、頬、舌を積極的に刺激し、口腔機能を高めたり、飲み込みを改善したりします。

肺炎は日本の死因の上位に入ります。肺炎を発症した高齢者の多くは、食事の時にむせこんだり、食べ物がのどに使えたりするという症状がなくとも、夜間睡眠中に唾液を下気道や肺に不顕性誤嚥していることがわかっています。肺炎になると、栄養や免疫機能がさらに低下し、繰り返す不顕性誤嚥のため、肺炎を繰り返します。そのリスクを下げるため、口腔ケアが必要です。