予防歯科で行なうこと
「痛くなったり何か症状がでた時に歯医者に行けばいい」と考えている方も多いかもしれません、近年では、「悪くならないようにいくところ」として予防を中心した診療をしています。
予防歯科の中心は定期健診とセルフケアです。フッ素塗布や口腔内診査、歯垢や歯石の除去(PMTC)、歯磨き指導などを行ないます。セルフケアだけでは、歯垢や歯石を完全に取り除くことができません。ちゃんと磨いたつもりでも、思わぬ磨き残しがあるのです。そのため歯科衛生士や歯科医から正しいセルフケアを教えてもらいましょう。
自宅でのセルフケアとしては、力を入れすぎて磨かないこと、すすぎの際にすすぎすぎてフッ素を落としてしまわないこと、歯茎や口に合った歯ブラシを選ぶとともにデンタルフロスを活用して歯垢をしっかり落とすこと、デンタルリンスなどを使って虫歯の原因になる細菌を増やさないことです。歯科医院にて正しく指導してもらいましょう。
小児の予防歯科
お口のスキンシップを通してお子さんに虫歯菌がうつり、虫歯に感染してしまうのです。虫歯菌に感染しやすい時期は、生後1歳7ヶ月~2歳7ヶ月の間です。予防策としましては、この感染しやすい時期に、お子さんと同じ箸やスプーンを共有しない、離乳食の際に咬み与えをしないなど、お口のスキンシップを控えることです。そうすることで成長した時の虫歯の本数を少なくすることができるのです。
また虫歯菌がうつってしまったかどうかなんて分からないですよね。うつさないことと同時に、日頃の歯ブラシ習慣も大切になってきます。小さい時は一緒に歯磨きを行なうとともに、ちゃんと磨けているか確認と仕上げを、ご両親でしてあげましょう。また、小児歯科で定期検診やブラッシング指導を受けるのもオススメです。
お子さんへの虫歯菌の感染に十分注意しながら、成人まで虫歯のない健康な歯を維持することができた場合、一生虫歯のない健康な歯でいられる可能性が高いということがいえます。弱い歯になってしまうことで、将来選べる夢や職業が限られてしまうこともあります。ご両親としては、お子さんの可能性を、選択肢を広げてあげることも大切ですよね。何より痛い思いをせずに済むのです。こんなにいいことはないのではないでしょうか。小さい頃から虫歯にならない習慣を身につけていきましょう。
マイナス1歳からの虫歯予防
マイナス1歳からの虫歯予防とは、赤ちゃんが生まれる前に、まずはお母さん自身の口の中の健康を守る、という考え方です。
妊婦さんが歯周病だと、早産・流産・低体重児のリスクが高くなるという報告もあります。安全な出産やお子さんの健康のためにも、妊娠中から歯科治療・お口のケアに取り組むことをおすすめします。
産婦の予防歯科
妊婦さんを対象にした予防歯科のことで、お母さんに出産前後の歯の健康についての知識を身に着けてもらうことで、出産のリスクを高めないこと、赤ちゃんの虫歯を予防し口の健康を守ること主眼に置いています。
妊娠中に気をつけたいことの一つとしてお口のケアがあります。近年、妊娠中の歯周病(妊娠性歯肉炎)は、早産および低体重児出産へのリスクが高まることがわかってきました。
これらは妊娠中に増加する、女性ホルモンのエストロゲンが大きく関わっているといわれています。エストロゲンが歯肉を形作る細胞を標的にし、また歯周病原細菌の増殖を促ことが知られています。つまりお口の中が、歯茎の炎症を起こしやすくい環境になり、歯周病が非常に進行しやすい状況が整ってしまうのです。妊娠中は唾液の量が減ることも後押ししています。妊娠中期から後期にかけて女性ホルモンが増加するため、さらにリスクが高まります。出産とともに元には戻りますが、清潔な状態を保つことで炎症を抑えることができますので、プラークコントロールを心がけてください。歯周病は予防可能な疾患ですので、赤ちゃんのために確実な歯周病予防を行ないましょう。
また、赤ちゃんの口内には虫歯菌や歯周病菌はありません。それなのに虫歯や歯周病になるのは、口移しやスキンシップによってお母さんや家族の細菌が感染するためです。また妊娠すると、つわりによって歯磨きがしにくくなり虫歯になるリスクが高まります。妊産婦の予防歯科では、そうした知識を知ってもらい、必要であれば出産前に虫歯や歯周病の治療をしてもらうとともに、子どもに歯磨きをきちんとするなどの正しい生活習慣を身に着けてもらうよう指導します。
予防プログラム(MTMとは)
メディカルトリートメントモデル(MTM)とは、治療を行なう前に、患者のお口の健康状態に合わせた予防プログラムを設定し、定期的なメインテナンスを行なっていきます。科学的に効果が実証さていているプログラムで、個人の口腔状態に合わせて適切に予防処置を行ないます。メディカルトリートメントモデル(MTM)とは、治療を行なう前に、患者さんのお口の健康状態に合わせた予防プログラムを設定し、定期的なメインテナンスを行なっていく一連の流れのことを言います。検査結果をもとに、一人ひとりに合わせた適切な治療・予防を行ないます。
当院ではMTMを重視し、治療後の継続的なメインテナンスも含めた治療計画をおつくりします。
STEP1
- 01問診
- ご来院後、まずは問診票の記入をしていただきます。
- 02口腔内の検査
- 歯の状態の確認や、これまでの治療状況のチェック
- 03レントゲン撮影
- 骨や骨格確認の為に行ないます。
- 04口腔内の写真撮影
- 見えない箇所の検査の為に行ないます。
- 05治療方針の説明
- 検査やレントゲン撮影の結果から今後の治療方針と治療の流れをご説明させていただきます。
STEP2
- 01だ液検査
- 検試験紙を使って虫歯菌の数や唾液の中和力、白血球数などを調べ、虫歯や歯周病のなりやすさ(リスク)を判定します。
- 02食事やホームケアのヒアリング
- 日々の食生活や歯磨きの時間や回数、使っている歯ブラシや器具もお伺いさせていただきます。
- 03歯周ポケットの検査
- 深さが測れる専用の器具を歯と歯茎のすき間に入れて、1本の歯ごとに歯周ポケットの深さを測定します。
- 04磨き残しチェック・歯磨き指導
- 歯の染め出しを行ない、歯磨きの状態を確認します。
STEP3
- 01リスク判定(評価)
- 検査したデータで、虫歯や歯周病のリスク判定を行ない、結果をご説明します。
- 02歯のクリーニング(PMTC)
- 専用の器具で歯の表面などに付着した細菌が膜状にまとわりついたもの(=バイオフィルム)除去していきます。
STEP4
- 01メインテナンス
- 期的に来院していただき、歯周病検査と来院までの3ヶ月間の間に歯についたバイオフィルム除去(PMTC)、歯石除去を行ないます。